小泉八雲『雪女』のあらすじや原文は？無料で楽しむ方法も紹介【朝ドラばけばけ】

小泉八雲の代表的な怪談のひとつ『雪女』は、美しくも恐ろしい雪女と人間の儚い運命を描いた物語です。

朝ドラ「ばけばけ」でも注目される八雲の作品として、改めて関心が高まっています。

本記事では、『雪女』のあらすじや原文の一部を紹介し、さらに無料で読める方法も解説します。八雲の怪談世界に触れてみたい方はぜひご覧ください。

＼ 30日間のお試し期間あり／

無料でAudibleを試してみる

※Amazonアカウントですぐに登録可能。いつでも解約できます

※無料体験はいつ終了するかわからないので気になる方は早めの利用をおすすめします。

小泉八雲『雪女』の基本情報
小泉八雲『雪女』のあらすじ
小泉八雲『雪女』の原文
小泉八雲『雪女』の絵本はどこで読める？
【おすすめ】小泉八雲『雪女』を無料で楽しむ方法
小泉八雲『雪女』のあらすじや原文：まとめ

小泉八雲『雪女』の基本情報

小泉八雲の『雪女』は、日本の伝説を基にした短編小説で、八雲の著作『怪談』の一部として1904年に発表されました。

小泉八雲『怪談』のあらすじは？収録作品や無料で読む方法も紹介

この物語は、雪の精霊である雪女と若い木こりの運命的な出会いを描いています。

この物語のテーマは、自然の神秘や人間の弱さ、愛の複雑です。

雪女は美しさと恐ろしさを併せ持つ存在として描かれ、自然の力を象徴しています。また、約束を破ることの代償や、禁忌を犯すことの危険性についても警告しているのです。

小泉八雲『雪女』のあらすじ

小泉八雲『雪女』のあらすじは以下の通りです。

あらすじ

物語は、武蔵国の小さな村に住む老木こりの茂作と、彼の弟子である若い木こりの巳之吉が登場します。ある冬の夜、二人は山からの帰り道に猛吹雪に遭遇し、渡し守の小屋に避難します。

小屋の中で、巳之吉は白装束を着た美しい女性が現れるのを目撃します。この女性は雪女であり、茂作に息を吹きかけると、彼は凍死してしまいます。次に雪女は巳之吉に目を向け、「あなたは若いから命を奪わないが、今夜の出来事を誰にも話してはいけない」と警告します。

その後、巳之吉は雪女と結婚し、幸せな家庭を築きます。しかし、ある晩、酒に酔った巳之吉は、雪女との約束を破り、茂作の死について話してしまいます。すると、雪女は自分がその雪女であることを告白し、約束を破ったために姿を消してしまいます。

小泉八雲『雪女』の原文

小泉八雲の『雪女』の原文は、青空文庫で公開されています。一部を引用します。

武蔵の国のある村に茂作、巳之吉と云う二人の木こりがいた。この話のあった時分には、茂作は老人であった。そして、彼の年季奉公人であった巳之吉は、十八の少年であった。毎日、彼等は村から約二里離れた森へ一緒に出かけた。その森へ行く道に、越さねばならない大きな河がある。そして、渡し船がある。渡しのある処にたびたび、橋が架けられたが、その橋は洪水のあるたびごとに流された。河の溢れる時には、普通の橋では、その急流を防ぐ事はできない。

茂作と巳之吉はある大層寒い晩、帰り途で大吹雪に遇った。渡し場に着いた、渡し守は船を河の向う側に残したままで、帰った事が分った。泳がれるような日ではなかった。それで木こりは渡し守の小屋に避難した――避難処の見つかった事を僥倖に思いながら。小屋には火鉢はなかった。火をたくべき場処もなかった。窓のない一方口の、二畳敷の小屋であった。茂作と巳之吉は戸をしめて、蓑をきて、休息するために横になった。

初めのうちはさほど寒いとも感じなかった。そして、嵐はじきに止むと思った。老人はじきに眠りについた。しかし、少年巳之吉は長い間、目をさましていて、恐ろしい風や戸にあたる雪のたえない音を聴いていた。河はゴウゴウと鳴っていた。小屋は海上の和船のようにゆれて、ミシミシ音がした。恐ろしい大吹雪であった。空気は一刻一刻、寒くなって来た、そして、巳之吉は蓑の下でふるえていた。しかし、とうとう寒さにも拘らず、彼もまた寝込んだ。

引用：青空文庫